
「タイミング(Timing)」ーーそれはレモンカラーが象徴するエネルギーです。 単なる時間の経過を指す「Time」とは異なり、瞬間的な時機を意味します。また、突然あるいは偶然訪れる「Chance(白)」に対して、みずから調節・調整して掴み取る時間的瞬間、という意味合いを持っています。
今回は、この「タイミング(レモン)」をテーマに、日常のオフィスで頻繁に起きているコミュニケーションのズレを、色彩統計のロジックから紐解いてみたいと思います。
誰もが一度は耳にしたことがある、あの言葉
日常の会社生活の中で、このような場面に遭遇したことはないでしょうか。
上司:「もっと空気を読め!」「チャンスを掴め!」「走りながら考えろ!」「前もって行動してくれ」……。
こうした言葉をぶつけられがちな人たちには、ある共通する特徴があります。 「受身である」「目立たない」「重責のあるポジションを避ける傾向がある」「しかし、数字には極めて正確」「決められた範囲の仕事は完璧にこなす」「慎重で、ルールを厳守する」
いわゆる「絵に描いたような真面目な日本人」の性質であり、公務員や官僚、大学教授、あるいは安定企業の堅実な従業員に多く見られるタイプです。 色彩の分類で言うと、「グリーン」「藍色」「黒」「エンジ」といった【濃い色(ダークカラー)】の本質を持つ人たちです。
濃いカラーの人が持つ「5つの性質」
なぜ、濃いカラーを持つ人はこのような慎重で堅実な性格になるのでしょうか。そこには、色彩統計学的に大きく5つの理由があります。
- 外界からの情報が入りにくい(自分の軸が強固)
- 他人に染まりにくい(周囲のノイズに流されない)
- 自身のカラーが強すぎるため、急な行動変化に反映されにくい
- 家系のカラー(育った環境や教え)が根強く残っており、新しい事象への警戒心が強い
- 同じカラー同士の相手を側に置きたがる(黒に白を混ぜても黒のままなように、同質を好む)
この濃いカラーの部下に対して、上司が「レモン」「白」「シルバー」「黄色」「黄緑」といった【薄いカラー(ライトカラー)】を持っていると、冒頭の「空気を読め!」という言葉が飛び交う頻度が劇的に跳ね上がります。
噛み合わない「レモン上司」と「グリーン部下」
具体的な会話の例を見てみましょう。

例のプレゼン、君に任せるよ

はい、ありがとうございます。プレゼンの日程はいつにいたしましょうか?

先方の様子を見て、いつくらいが良いか君が判断して段取りを組んでくれ

(困惑しながら)「調整してみます……。ところで、当日はどなたを(プレゼンに)お呼びしますか?」

(イラつきながら)「少しは自分で考えろ!」
上司の「感覚的な丸投げ」に対して、部下は具体的な着地点が見えず、完全にフリーズしてしまっています。
では、上司も同じ「グリーン」だった場合はどうなるでしょうか。

7月18日の9時から、○○社へのプレゼンを行うので準備をお願いします

はい、手配します。先方は何名で来られますか?

部長が1名と、営業が1名だよ

では、こちらからは何名出席いたしますか?

君と私、それから設計部門から1名の、合計3名だね

承知いたしました。先方が2名、こちらが3名ですので、合計5名分の資料を準備いたします

そうだね、よろしく頼むよ
「感覚」を「数字」に翻訳するということ
この二つのやり取りの違いがお分かりいただけるでしょうか。 「グリーン」に代表される濃いカラーの人は、その性質上、【数字】をベースに世界を捉えています。そのため、時間や条件も、正確に表現してもらう必要があります。
感覚の世界における「タイミング」や「チャンス」という言葉は、同じ薄いカラー同士ならすんなり共有できますが、自分自身のカラーが強固な「濃いカラー」の人にとっては、抽象的すぎて理解が極めて難しいのです。 日頃、何気なく使われている「だいたい」「感覚的に」「君のセンスで」といった言葉は、彼らにとって最も不親切な言葉だと言えます。
もし、あなたがマネジメントの現場で「濃いカラー」の部下や同僚と接する機会があるなら、次の3つのポイントを意識してみてください。
- すべての指示を「数字」に変換する(時間、枚数、期限の明確化)
- 臨機応変さや「空気の読み」が必要な流動的タスクは、それが得意なカラーの人間をアサインする(適材適所のリスク管理)
- 「責任」という重荷から解放してあげる(「大丈夫、何かあればこちらで責任を持つから」の一言を添える)

相手のカラーを否定して「空気を読め」と強要するのではなく、相手のカラーの特性を理解して「言葉の翻訳」を行うこと。これこそが、組織の潤滑油となり、本当の意味での「良いタイミング」を生み出す鍵になるのです。
あなたのオフィスのメンバーは、何色ですか?
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